公益財団法人セゾン文化財団は、堤清二氏(1927-2013)の私財によって設立された助成型財団です。1987年より日本の現代演劇・舞踊の振興、およびその国際交流の促進に寄与するため、助成活動を行っています。当財団は、以下の基本方針をもって支援活動を展開しています。
当財団は、現代演劇・現代舞踊の分野を中心に、芸術家や芸術団体に対し、助成金の交付、および稽古場等の貸与を行っています。助成は、各々のプログラムに沿って行われています。
I 芸術家への直接支援
1. 現代演劇・舞踊助成 ― セゾン・フェロー(I/II)
現代演劇・舞踊界での活躍が期待される劇作家、演出家、または振付家の創造活動を支援対象とした助成プログラムです。
2. 現代演劇・舞踊助成 ― サバティカル(休暇・充電)
劇作家、演出家または振付家がサバティカル(休暇・充電)期間を設け海外の文化や様々な芸術に触れてもらうことを目的とした助成プログラムです。
II パートナーシップ・プログラム
1. 現代演劇・舞踊助成 ― 創造環境イノベーション
現代演劇・舞踊界が現在抱えている問題点を明らかにし、その創造的解決を目指した取り組みに対する助成プログラムです。
2. 現代演劇・舞踊助成 ― 国際プロジェクト支援
日本の舞台芸術の国際化を目的とした助成プログラムです。海外のパートナーとの十分な相互理解に基づき、実施内容や作品が複数年かけて発展していくプロジェクトを重視します。
III 次世代の芸術創造を活性化する研究助成 ― 寄付プログラム ―
次世代の芸術創造を活性化する政策提言を目的にした調査、研究活動を支援する助成プログラムです。
海外からの招聘に伴う渡航費が緊急に必要になった場合の支援プログラムです。
Vセゾン・アーティスト・イン・レジデンス
アーティスト・イン・レジデンスを通じて、海外の芸術家や芸術団体と双方向の国際文化交流の活性化を目的とするプログラムです。 森下スタジオを拠点とした国際文化交流事業で滞在機会を提供します。
・セゾン AIR パートナーシップ
・ヴィジティング・フェロー
刊行物
viewpoint
「viewpoint」は、年4回発行されるニュースレターです。
アニュアル・リポート
年に1回発行される事業報告書です。
事業計画(プレスリリース)
助成事業および自主製作・共催事業の事業計画のご報告です。
森下スタジオ
演劇・舞踊分野を対象とした稽古専用施設です。レジデンス事業、創作過程の一部を見せるショーイングなどが行われます。
設立目的
当財団は、芸術・文化活動に対する支援を通じ、新しい価値の創造と、人々の相互理解の促進に寄与することを目的としています。
設立年月日
1987年7月13日
設立者
堤 清二
公益財団法人セゾン文化財団 創立者 堤清二について
創立のご挨拶
2000年が足早に近づいている今日、その新しい世紀にわが国がどのような姿になり、国際社会でいかなる役割を果たしているのかについて、私たちは危惧の念の持たない訳にはいきません。
20世紀を生きてきた私どもは、第2次世界大戦における敗北の後の40年の努力によって経済的な豊かさを獲得しました。しかしその過程で犠牲にされたもの、等閑視されていたがために衰えたもの、内容や姿が変わってしまったものも数多くあるように思われます。
芸術思潮の世紀末に向けての変貌の中で、わが国の文化も又、伝統を見失ってしまったと言っても過言ではありません。経済大国、文化小国などという言葉が口にされる状況は、国際社会における孤立化とあいまってわが国の行先を不透明にしていると申せましょう。
あらゆる思想、芸術上の流れ、表現の自由をとり入れながら、日本の土壌に根ざした想像力を持ち得るために、今、求められていることは、開かれた感性と目をもって活発な国際交流を行うことであり、現代社会の流動性を、想像力の回復、そのことによる国際性の獲得の条件に転換する努力であると思われます。
㈶セゾン文化財団は、芸術文化各分野にわたり、芸術創造に努力し、又文化の領域において研究を進めている方々に助成を行うこと、さらに、芸術家たちの海外研修、海外芸術家の招聘等、国際交流の促進を活動の目的としています。これらの活動を通じて、芸術文化の向上を図り、わが国の文化の発展に寄与できればと考えております。
堤清二 / 辻井喬 プロフィール
1927年3月東京に生まれる。東京大学経済学部卒。衆議院議長を務めた父・堤康次郎の秘書を経て、1954年西武百貨店入社。1963年、自ら設立した西友ストアー[現・西友]の社長に、1966年には西武百貨店の社長に就任。その後、クレディセゾン、良品計画、ファミリーマートなど多彩な企業群のセゾングループの代表となる。1991年、同グループ代表を辞し、経営の第一線から引退。
1983年にアメリカのロックフェラー系列の財団であるアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)に対し、その日本事務所と「日米芸術交流プログラム」の設立に向けて、西武流通グループ(当時)から200万米ドルを寄附(これは当時、日本の企業体から、アメリカの非営利団体が運営する芸術プログラムに対する最大のものとなった)。以来、ACCの理事を務め、2012年からは終身理事に就任。1986年に財団法人高輪美術館[現・一般財団法人セゾン現代美術館]を、また1987年に財団法人[現・公益財団法人]セゾン文化財団を私財で創設し、2013年11月に逝去するまで両財団の理事長として活動。また、ノグチ美術館の評議員、ニューヨークのジャパン・ソサエティーの日本アドバイザリー委員、およびニューヨーク近代美術館の国際評議員を務めた。
1970年にフランス共和国よりレジオン・ドヌール(シュヴァリエ章)を、1987年に同国レジオン・ドヌール(オフィシエ章)を、また1989年にオーストリア共和国功労勲章大金章を受章。1993年にモスクワ大学名誉博士号授与。1998年に論文「消費社会批判」(1996年に出版)により中央大学経済学博士号を取得。2012年に上述のアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)より「ブランシェット・H・ロックフェラー賞」を受賞。
堤清二 / 辻井喬 年譜
1927年 | 3月30日に東京・三鷹に生まれる |
1951年 | 学校法人国立学園理事長に就任 |
1954年 | 株式会社西武百貨店入社 |
1955年 | 辻井喬として最初の詩集『不確かな朝』を刊行 |
1961年 | 西武百貨店池袋店にて「パウル・クレー展」を開催 |
1962年 | 東京都港区高輪に高輪美術館開館 |
1971年 | フランス共和国より<レジオン・ドヌール勲章(シュヴァリエ)>受章 |
1973年 | 渋谷パルコ開店、同時に西武劇場[現・パルコ劇場]開館 |
1975年 | 西武百貨店池袋店内にて「西武美術館」開館、また同店内にて書店「リブロ」、 アート専門書・レコード店「アール・ヴィヴァン」開業 |
1978年 | ニューヨーク近代美術館 国際評議員に就任 |
1979年 | 西武百貨店池袋店にて「池袋コミュニティ・カレッジ」開設、同店にて「スタジオ200」開館 |
1981年 | 高輪美術館が軽井沢に移転し、現代美術を対象とする美術館として開館 株式会社ファミリーマート設立 |
1983年 | 株式会社西友が「無印良品」直営1号店を青山に開店[現在株式会社良品計画が経営] 株式会社西武クレジット[現・株式会社クレディセゾン]が「セゾンカード」を本格的に発行 六本木WAVE開店(同店内に映画館「シネ・ヴィヴァン」開館) ニューヨークのアジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)に対してセゾングループから200万米ドルを寄附 |
1984年 | 有楽町西武開店、同店内にて「有楽町アート・フォーラム」開館 |
1985年 | 「西武流通グループ」から「西武セゾングループ」へ改称 |
1986年 | 財団法人高輪美術館[現・一般財団法人セゾン現代美術館]を設立 西武百貨店渋谷店にて「シードホール」開館 |
1987年 | 「銀座セゾン劇場」開館 私財を基金として財団法人[現・公益財団法人]セゾン文化財団を設立、理事長に就任 フランス共和国より<レジオン・ドヌール勲章(オフィシェ)>受章 |
1988年 | 八ヶ岳高原音楽堂開館 |
1989年 | 池袋にセゾン美術館開館 オーストリア共和国より<功労勲章大金章>受章 |
1990年 | 「西武セゾングループ」から「セゾングループ」へ改称 |
1991年 | セゾングループ代表から引退表明 軽井沢の「高輪美術館」が「セゾン現代美術館」へ改称 |
1993年 | モスクワ大学より名誉博士号を受ける |
1994年 | セゾン文化財団「森下スタジオ」開館 |
1998年 | 『消費社会批判』(1996年刊行)により中央大学より経済学博士号を受ける |
2003年 | セゾン文化財団、企業メセナ協議会よりメセナ大賞2003<舞台芸術牽引賞>を受賞 |
2007年 | 辻井喬として芸術院会員に選ばれる |
2009年 | セゾン文化財団、<ドナルド・キーン日本文化振興賞>を受賞 |
2012年 | 皇居宮殿にて行われる「歌会始の儀」にて召人(めしうど)を務める アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)より<ブランシェット・H・ロックフェラー賞>を受賞 |
2013年 | 11月25日、東京にて逝去 |
評議員 |
||
石井達朗 | 舞踊評論家 | |
植木 浩 | 一般社団法人現代舞踊協会 会長 | |
内野 儀 | 学習院女子大学 教授 | |
尾崎真理子 | 文芸評論家 | |
金井政明 | 株式会社良品計画 代表取締役会長 | |
小池一子 | 武蔵野美術大学 名誉教授/佐賀町アーカイブ 主宰 | |
佐藤俊一 | ダイキン工業株式会社 顧問/株式会社クローバー・ネットワーク・コム 顧問/一般財団法人橋田文化財団 常務理事 | |
堤たか雄 | 一般財団法人セゾン現代美術館 代表理事・館長 | |
沼野充義 | 東京大学 名誉教授 | |
内藤美奈子 | 東京都歴史文化財団 東京芸術劇場 制作担当課長 | |
松岡和子 | 演劇評論家/翻訳家 | |
水野克己 | 株式会社クレディセゾン 代表取締役(兼)社長執行役員COO | |
水落 潔 | 演劇評論家 |
理事・監事 |
||
会長 | 片山正夫 | |
理事長 | 北條愼治 | |
副理事長 | 堤 麻子 | 一般財団法人セゾン現代美術館 評議員 |
常務理事 | 久野敦子 | |
理事 | 鍵岡正謹 | 岡山県立美術館 顧問 |
堤 康二 | 一般財団法人セゾン現代美術館 評議員 | |
中野晴啓 | なかのアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長 | |
渡邊紀征 | 元・株式会社西友 取締役会議長・代表執行役 | |
監事 | 伊藤 醇 | 公認会計士 |
三宅 弘 | 弁護士 | |
顧問 |
||
堤 猶二 | 株式会社横浜グランドインターコンチネンタルホテル 代表取締役会長 |
<交通案内>
都営浅草線「宝町駅」A1出口 徒歩1分
東京メトロ銀座線「京橋駅」 1番出口 徒歩5分
東京メトロ有楽町線「 銀座一丁目駅」 10番出口 徒歩7分
JR京葉線、東京メトロ日比谷線「 八丁堀駅」 A3出口 徒歩7分
JR「東京駅」 八重洲口 徒歩15分
<交通案内>
都営新宿線、都営大江戸線「森下駅」 A6出口 徒歩5分
東京メトロ半蔵門線、都営大江戸線「清澄白河駅」 A2出口 徒歩10分